人生は人に変化を要求する
いまの自分が求めている自分ではないとき、人は何かを変える必要性を感じる。居心地の良い場所が見つかればそこに留まりたいと思うのは自然だが、人生は、学習・成長・変化しつづけることを私たちに要求する。
ストップサイン→揺れ→行き詰まり
しかし、人生の旅路にはときおり巨大なストップサインが現れる。望むものがはっきりとしていて努力もしているのにどうしても結果が出ないのだ。「どうしてもできない」は行き詰まりのモデルである。
負のインパクト
負のインパクトが時に、それが過ぎてからも、その人を支配し続ける。否定のベルは創造性や反応の鋭さを低下させ、肯定のベルは自信と創造性を促す(KJ法でも加点方式が創造性を育むと言っていたなあ)。
私たちは毎日、自分自身にストップをかけている。十分な能力があるにもかかわらず、できないと思い込むことによって、その能力を自ら放棄している。心理的に強烈な体験をしたとき、一種の催眠状態の中で人は、一生続く自己否定の宣告を受け入れてしまう。そして、自分の中にストップサインを設置する。(催眠術と自己否定の宣告)
恐怖心は、「前にも失敗した」という誤った結論に基づく根拠のないものだ。人はたびたび失敗する。しかし、問題は失敗そのものではなく、失敗によって受けた衝撃だ。突然の負の刺激によりネガティブな思考と感情が洪水のように湧き出ると、この衝撃が学習の道に巨大なストップサインを設置してしまう。以来、そのストップサインは、感情面で、肉体面で、あるいは知的側面において、最初に設置されたときの威力を維持し続けている。人は同じ危険を冒さないために、無意識のうちにストップサインを設置し、そしてそれは、危険がなくなったあとも点灯し続ける。
このストップサインはしばしば「善意」ある大人たちによって設置される。すべての子どもたちは天才として生まれる。ところが、10000人中 9999人が大人たちの手にかかって、彼らの天才はこともなげに剝ぎ取られ、歪められる。私たちの文化には、多くの学習者を傷つけている教育システムがはびこっている。
パラドクス
ストップサインは揺れを引き起こす。そして揺れは行き詰まりを引き起こす。行き詰まりとは二相構造の機能不全であり、とくに硬直である。
まず、自分が狂ったように行ったり来たりを繰り返しているという事実に目をむけないことには、自分の才能をReleaseすることができない。「Xを望む自分がいる一方で、同時に、Yを望む自分がいる」というパラドクスは、行き詰まり(進むこともできなければ止まることもできない状況)を作り出す。(ホリエモンがバランスを崩せと言っていたのは、このことかもしれない)。行き詰まりとは、同時に存在する相反する二つの状態の間で揺れ動くことだ。
私たちを形成するほぼすべてのもの(筋肉組織、神経系や人格)は相反する力によって機能している。二相構造はエレベーターに柔軟性を与え、どんな位置にでも停止できるようにする。行き詰まりは、相反する二つの力で互いを引っ張り合った結果フロアとフロアの間で止まってしまった状態にたとえられる。精神的な病や身体の不調は、人格、神経系、あるいは肉体が、一つの生き方に固定されたときにおこるものだ。前に進んでいかなければならないとき、自分の中の一部がそこに留まろうとすると、行き詰まり、学習プロセスが停滞し、人生が私たちに用意した見返りも得られなくなってしまう。
体の現れ
ストップサインや揺れ、行き詰まりは体に現れる。人はストップサインに遭遇すると二度瞬きをする。・・・揺れの威力は、催眠術を使うことによって具体的に見ることができる。
ストップサインを取り除こう
ストップサインに気づき、これをなくしてしまえば、揺れが止まり、行き詰まりは打開される。
行き詰ったと思ったとき、まず最初にすべきことは揺れに気づくことだ。行き詰まりを打開するためには、自分の恐怖心に真正面から向き合うことが必要だ。
人生の中に感情的、肉体的、あるいは知的側面で学習が阻止されている分野があるなら、NBモデルを実践してストップサインをなくそう。選択の幅を広げ、新しい有効な行動が取れるようになれば、行き詰まりはすぐに打開することができる。
有効な学習は行き詰るのと同じくらい簡単だ。ストップサインを取り除き、自分の真の才能を再発見する方法を学ぼう。
行き詰まりを診断するアクティビティ
あなたの揺れ、そして行き詰まりはどのように描くことができるだろうか?
- いまの状態とあなたが望む状態との間にはどのような違いがありますか?あなたが揺れを感じるのはどの分野ですか?
- その問題について、あなたはどのような自己イメージを持っていますか?その問題に向き合うとき、自分にはどのような傾向があると感じていますか?
- あなたを支配している感情は何ですか?
- 1.の質問に対する答えから、自分の抱えている矛盾が何かを考えてみましょう。
- あなたのパラドクスにあるメリットとデメリットは何ですか?
- あなたが恐れているものは何ですか?
(矛盾は常に否定される。これは論理学のことだけではなく、体でもそうだったのか。そして、否定というのは、肯定とは違う思考の働きである)
求めよ、さらば与えられん
マグネット
求める人にはリソースが集まってくる。現状が望むものでないなら自分自身に「私は何を求めているのだろう」と尋ねて、目標を設定しよう。自分が望んでいるものを具体的に示したら、今の状態と望んでいる状態とのギャップを埋めることによって、目標を達成しよう(まさしくRespondの考え方じゃないか!)。思考、気持ち、そして行動が「望み通りの人生を手にするのだ」という目的意識に満ちているとき、私たちは自ら磁石となり、必要なものを自然に引き寄せる(引き寄せの法則)。目標を達成するために必要な資源が次々と押し寄せてくる体験は、不思議であると同時に、とてもわくわくするものだ。
ストップサインに気づき、これを取り除いたなら、揺れは止まり、行き詰まりは打開される。NBモデルはいったん足を止め、新たな資源を収集し、目標達成に向けてアクションを起こすという新しいチョイスを提供する。
「これならうまくできる」ものは有効な学習モデルであり、人はその過程で自然にNBモデルを実践している。可能性を信じることがNBを引き出す。
私にはできる
この言葉が人をよりハイレベルなパフォーマンスへと導く。NBを引き出すコツは、人々の夢を信じて「あなたならできる」と言ってあげることだ。そう言ってあげることがその人の天才性を引き出すのだ。
天才というものは
天才というものは彼自身の考えをやってのけるものだ。天才というものは、彼自身が自分でやってみて見つけ出したこと、彼自身の直観に、そして彼自身の過ちから得た知識に深い確信を持つものだ。
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