簿記3級合格を振り返って

昨年の12月に簿記3級に合格した。今回の文章はその振り返りだ。これから受けようとする人の参考になれば。

三度目の正直で簿記3級に合格した。77点だった。二回目の試験はなんと69点(合格点は70点)だったので、本当に悔しい思いをした。ちなみに一回目は、正確な点数は忘れたが、56点くらいだったと思う。地道に点数を上げて合格できた。ところで勝因はなんだったろう。振り返ってみよう。

決算が決め手だった

一言でいうと、まさに、決算が決め手であったといえる。二回目の試験で合格目前に迫ったのは、精算表や財務諸表を作成する第三問の対策をちゃんととったからだった。逆に言えば、一回目の試験では、決算手続きの理解がおろそかだった。

元帳と転記の重要性を見直した

自分はエクセルで複式簿記の仕組みをつくり、家計簿をそれでつけていたから、転記の重要性を見落としていた。元帳から財務諸表がつくられること、特に、損益勘定がそのまま損益計算書になることを考えれば、転記の学習をおろそかにするべきではなかったのだ。転記、すなわち、T字の勘定別に仕訳をすること、相手勘定を書くルールを重要視していれば、損益計算書の作成過程をもっと早くにイメージすることができていただろう。「相手勘定が複数の時は諸口と書くとか、枝葉の知識だな」と高をくくっていた。

決算整理における評価を復習した

元帳の重要性を適切に評価していれば、苦手だと感じていた決算整理における評価のことをもっと簡単に掌握していただろう。たとえば、減価償却(時間が減るにつれて経済的魅力を失っていくこと)、引当金の設定、経過勘定科目の処理(「前」なら一部控除、「未」なら追加計上する。4と16を使った簡単な時間計算もこのとき考えた)や当座借越などは、決算時における資産、負債、収益または費用の評価および調整だったのだ。

純利益を繰越利益剰余金に振り替える

会計では資本金と繰越利益剰余金は区別する。決算では、決算整理仕訳のあと、決算振替仕訳によって、純利益を繰越利益剰余金に振り替える。つまり、繰越利益剰余金は純利益の積み重ねである。こういった基礎的な事実を、決算の手続きを実践する中で肌で理解することも合格の上では重要であったように思う。

会計用語の定義と範囲を復習した

もちろん、決算だけではなく日々の仕訳も大切なのは言うまでもない。自分は、日々の仕訳は得意だと思っていた。というのも、一回目の試験では第一問が満点だったのだ。しかし、うろ覚えのところもあった。小切手は現金とみなすこと。法定福利費は会社負担の社会保険料であること。収入印紙が租税公課であること。主たる営業活動により生じる債権/債務が、売掛金/買掛金であることや3分法の処理。仕入諸掛や固定資産の付随費用を取得原価に含めること・・・など、細かいルールで不安なことをマインドマップでまとめて知識を整理した。

また、合格に直接貢献したわけではないが、商品有高帳などの補助簿が、出納の問題を処理して元帳に情報を提供していることなども会計の詳細を理解するのに役立った。「商品有高帳の先入先出法は徹底的な歴史的原価の考え方だ」といったように、自分なりの言葉で解釈して学習を進めたことが、底力になったように思う。

時間配分や得点計画が功を奏した

第二回目は69点だったのだが、不合格は不合格だ。詰めが甘かった。

その詰め方はテクニカルな対策だったように思う。最終的には、第三問(25分)⇒ 第一問(20分)⇒ 第二問(15分)という問題の解き方および時間配分を計画した。また、過去問を解いた経験から、第三問は深追いせず、集計および当期純利益の算出は捨ててもよいと判断した。こういった創意工夫によって、試験では問題全体でまんべんなく得点することができた。自分は、こうしたテクニカルな工夫を軽視しがちだ。しかし、いざこうして合格を勝ち取ってみると、計画がハマった時の喜びを感じることも悪くないなと思えた。

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あとがき

冬至になるまえに、心残りの簿記3級をクリアしておいて本当に良かった。勝利のミスタードーナツはとても美味しかった。資格勉強を私は軽視しがちだけど、達成した時の感じはやっぱりいいなあと思える。

さて、今回の教訓を生かして、2級もクリアしていこう。

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