変化を受け入れよう
第3のステップ Respond では、起こった変化の価値を見極めるために行動を起こす。なにか新しいものを手に入れたければ、これまでとは違ったことをやらなければならない。
いろいろな結果が起こる中で、ポジティブな方向に大きく前進するような判断と行動ができるようになろう。私たちが行うこと、あるいは、行わなかったことはすべて何らかの結果をもたらす。うまくいくことを望んで起こした行動がかえって状況を悪化させることもある。この章では、どうすればポジティブな方向に大きく前進するような判断と行動ができるかについて学ぶ。
ゴールに向かう
問題に嘆いて逃げるよりも、リラックスした集中状態でNBにアクセスしてゴールに向かおう。
一つの方向性を打ち出してRespondすることで初めて行き詰まりから脱し、真の能力の発揮に向けて動き出せる(Being by Beingだね)。行き詰ったとき、人は二つの相反するアクションの間を行ったり来たりすることにエネルギーのほとんどを費やすが、ReleaseとNoticeを経て、Respondの段階に入ると行き詰まりは打開される。
問題から逃げない
問題から逃げずに取り組もう。人生にはゴール達成型とストレス回避型の二つのアプローチがあるが、強い恐怖心と低いモチベーションが組み合わせさると、人はたいていストレス回避の道を選ぶ。人はしばしば、問題に苦悩し、問題について話し合い、問題を分析するばかりで、自分が具体的に何を望んでいるかを明確にすることを忘れている。
無意識は私たちの習慣をコントロールしている。恐怖心は、無意識が私たちを守ろうとしていることの表れにすぎない。
これまでずっと避けてきたことに正々堂々と取り組んでみよう。
(「シーリィは、受講生たちを能力に満ちた人間として扱います」・・・能力を信じている。そして、逃げるのではなく、ゴールに迎えると信じているのだ。)
「私が欲しいものは何か」
問題について悩み苦しむのではなく、私たちが自問すべきなのは「私は何が欲しいだろうか?」ということだ。NBモデルではすごくシンプルなことを行う。「私が欲しいものは何か?」脳がその答えを探し始めた途端、オプションが拡大し、可能性が生まれる。
自分が求めている結果を具体的に書き出してみよう。目標は達成可能で、達成されたことが確認でき、かつ、その価値を心から信じられるものであること(これは第11章の創造的問題解決で言われたことと同じだ)。
NBにアクセスする
明確なゴールを持ち、リラックスした集中状態になることでNBにアクセスしよう。求めるものをはっきりさせ、それを実現するためにRespondしないかぎり、自分の中の優れた才能を発揮することはできない。Respondするために必要な強さは、明確な動機や目的に基づいて出すべき結果を具体的に想定し、自分の中の資源につながることによって生み出される。
NBモデルを使って、リラックスした集中状態に自分を置き、たくさんのオプションがあることを認識しながらゴール達成型アプローチを行おう。ReleaseとNoticeによって、リラックスした集中状態になると、意識下の英知につながることが可能になる。
明確な目的をもってRespondするとき、無意識は私たちに必要な力を与えてくれる。
(Respondというのは、「私が欲しいものは何か?」の答えを出すという意味だ)
真実に近づく
小さくRespondを繰り返すことで恐怖心は克服され、真実に近づいていく。
最初は下手でもいい
最初は下手でいい。失敗はない。たとえばジャグリングするには、動きとバランス、そして失敗を恐れない気持ちが必要だ。やる価値のあることはどんなことでも最初は下手でいい。大人があることを実行不可能だと正確に判断するには最低50回トライすることが必要。自分自身が失敗だと決めつけない限り、失敗という結果は存在しない。
最初は下手でもいい、そんな気持ちをもってリラックスしながら、何回もチャレンジしよう。Respondを繰り返せば真実に近づいていく。行動を起こし、フィードバックを得ることで、目的の達成には何をすればよいかが見えてくる。反応さえ起こせば、すべてがあとに続く。Respondすることで、揺れの中にバランスを見出すことができるのだ(エレベーターの、二相構造におけるバランスのこと)。
小さい一歩を評価しよう
Respondしたらどんな小さい一歩でも評価しよう(もうすでにWitnessにつながっているんじゃないか)。「行動を起こしたらわずかな進歩でも報告すること」。成功とは、価値ある理想を漸進的に実現していくことである。目標に向かってわずかでも前進していれば、それは立派な成功だ。
粘り強く取り組もう
そして、前向きに、粘り強く取り組もう。Respondingには粘り強さが不可欠だ。あきらめる、というオプションが存在しないぐらいに「自分はできる」という強い信念をもつことが大切だ。自分を厳しく律したり、無理をして頑張る必要はない。必要なのは粘り強さだ。
Just do it!
このようにRespondしていくたびに恐怖心は克服される。行動し、フィードバックを得る。これを繰り返すことで意思決定能力もモチベーションも上がっていく。強い意志は恐怖心に勝つのだ。自分の中の資源にアクセスするためには、肉体的にも精神的にも恐怖心から逃げないことが大切だ。
無意識に恐怖心を克服させるのは簡単なことだ。ちょっとした刺激を与えるだけで、無意識は心と体のパワーを全開にする。
Just do it!
この言葉には、立ち上がって夢に向かって歩き出せば、それだけで恐怖心の99%が克服されるというメッセージが込められている。