ハイライト
フォトリーディング・ホール・マインド・システム(Photoreading Whole Mind System ; 略称 PhW)は学習に関する理論・実践の一つのハイライトである。ポール・シーリィは神経言語プログラミングや加速学習の研究を通してPhWを開発した(p. 29)。
読書力の高い人は、後頭部の斜め上方に意識を集中させる固定点を持っている(p. 84)。
PhWは How to Read a Book やナチュラル・ブリリアンス・モデル(Natural Brilliance Model ; 略称 NBモデル)と連携する。How to Read a Book の考えにPhWを付け加えてシントピック・リーディング(Syntopic Reading)が生まれた(p. 205)。また、NBモデルは学習プロセスのモデルであり、ゆえに、文字から情報を得ることに重点を置いたPhを補完する(p. 258)。
ポテンシャル
脳のポテンシャルをもっと使っていこう。
【創造性】論理・批判・分析的な思考以外の脳の領域をもっと使っていこう。Phは、論理・批判・分析的な思考を一時的に迂回する状態でのみ可能になる(p. 56)。シーリィは、ベティエドワーズの記事を読んで、ページ全体の余白を見ようと試みた(p. 104)。
夢をもっと利用しよう(p. 245)。また、直観力を鍛えると、Phとアクティベーションのスキルが向上し、かつ、人生をより質の高いものにする効果がある(p. 261)。
【天才性】脳にもとから備わっている天才性を信じることがPhWを成功に導く鍵である。Phをマスターするためには、「自分にはできない」というネガティブな思い込みを捨てることだ(p. 61)。「必要な時にはいつでも頼りになる」という脳への信頼は、PhWを成功に導く鍵である(p. 244)。もともと備わっている天才性を日常生活の一部にしよう。自分の能力を信じよう(p. 267)。
Query
脳にはQueryを送れる。脳のゴールゲッターとしての力がPhWのエンジンである。効果的な読書は、明確な目的を持つことから始まる。これは「読書をした結果、何を得たいのか」を意識的に決める、ということだ(p. 63)。脳はゴールに向かって進んでいくようにできている(p. 242)。この、脳のゴールゲッター性を考えると、PhWは最初のステップである準備を中心に回っていると言っても過言ではない(p. 74)。
無意識のデータベースにアクセスするためのキーはQueryである。すなわち、問いかけだ(p. 136)。また、脳に問いかけをするときに大切なことは「あわてて今すぐ答えを求めない」ことだ(p. 136)。復習の最大の利点は、情報に飢えた状態を作り出すことにある(p. 127)。
重みづけ
学習はネットワークを更新して、クリティカルを求めるのがいい。
パレートの法則
必要な情報は全体の20%以下である。読もうとしているその本や記事は、読むべき上位20%にはいっているか(p. 93)。文書の 4~11%を読めば文書の要点を理解できるとも言われている(p. 144)。
全部を読む必要はないのだ。
パターン認識
脳がもつネットワークの力を使おう。
予習は学習の重要な原則、すなわち、「全体から細部へ」に基づいている(p. 64)。読書の達人は、予習を「情報の整理箱づくり」と呼んでいる(p. 94)。
復習は、取り入れた情報を分類してパターン認識を行うとい脳の能力を利用して行うステップである(p. 121)。復習では、あとで活性化するための計画をつくる。・・・調査は予習の時よりも丁寧に行う(p. 128)。・・・トリガーワードは、強調されながら何度も使われている語句で、その本の中心的なキーワードだ(p. 124)。・・・著者の思考の列車に乗ろう(p. 147)。
PhW:層を積み重ねる
理解は層のように積み重ねていくのがベストだ(p. 161)。
- 準備
- 予習
- Ph
- 復習
- アクティベーション、
と積み重ねていこう。
準備は、①目的を明確にして、②意識を一点に集中させて、読むための理想的な心の状態に入ること。
予習は、①文書をざっと見渡す、②目的に沿った価値があるか検討する、③読み進めるか否かを決定する、という三つの段階がある(p. 89)。
Phの手順は、①目的の再確認、②アクセラメンツ、③開始アファメーション、④フォトフォーカス、⑤リズムよくページをめくる、⑥終了アファメーション、である。(アファメーションというのが催眠術なんだな)。
復習はできるだけPhの直後に行うこと(p. 122)。復習の手順は、①文書を調査する、②トリガーワード(=Tr)を見つける、③質問(=Q)を作る、である(p. 122)。
続くアクティベーションは、設定した目的を満たすために必要な情報を意識の上で認識できるようにうることを目的とする(p. 130)。アクティベーションの手順は、①生産的休憩をとる、②Qを見直す、③スーパーリーディング(Super Reading ; 略称 SR)および ディッピング(Dipping ; 略称 Dip)、④マインドマップ(略称 MP)、⑤高速リーディング(略称 ; 高R)である。
活性化の最初のパートは20分~24時間、文書を脇によけておくことだ(p. 68)。生産的休憩を取った後は、Q や Tr を見直す(p. 134)。Qの見直しが終わったら、答え探しの時間。集中学習モードに入り、読む目的やQに従って、興味が惹かれた章を開く(p. 138)。
SRは、各ページの中央に視点を定めて、意味のある言葉を探しながら、最初の行から最後の行まで素早く視点を動かす(p. 138)。そしてDipは、気になった個所の周辺の一文もしくは二文をさっと読む(p. 139)。
マイケル・ベネット博士は、スキタリングを開発した。分析的思考に優れているならスキタリングが有効化もしれない(p. 150)。
MPは、SR & Dip で得た情報をまとめるのに便利だ(p. 153)。
高RはPhWの最後の最終ステップであり、自由にスピードを調整できる(p. 160)。
ダイレクト・ラーニング(Direct Learning ; 略称 DL)は知識ではなく行動の上で活性化を引き起こすための体系的な方法論である(p. 250)。
時間短縮
Phの効用として真っ先に挙げられるのは、なんといっても読書時間の短縮である。
ゲーム
Phは世界を一変させるゲームだ。あらゆる機会にPhWを使おう(p. 181)。脳にはPhの能力が備わっているが、このPhWは使うことによって初めて完成され、意識しなくても自然に使えるようになる(p. 261)。
パラダイムシフト
まずはPhを使ってみよう。そこからパラダイムがシフトする。PhWの神髄はテクニックではなく、テクニックを学ぶことにより引き起こされるパラダイムシフトである(p. 39)。新しいパラダイムを受け入れるには、納得してから信じるのではなく、まず信じてみることが大切だ(p. 55)。
Phを活用することで、絶え間ない変化を味方につけ、自分自身の選択によって積極的な役割を追求していくことができる(p. 273)。
アクセラメンツの目的:教室から恐怖心をとりのぞき、暗示的な学習能力を高めること → 学習者により多くの選択肢をつくること(p. 269)。
フロー
Phに必要なのは新しいアイデアを試す意欲と、リラックスして楽しむ気持ちである(p. 42)。リラックスすると脳のチャンネルが変わる(p. 238)。Like a baby・・・赤ちゃんのように学ぼう。
そして、Ph 仲間を増やそう。そのためには、この本をメンバー全員に買ってあげればいい(p. 230)。